ネットにより加速する、世論における正の反応度フィードバック

現在京都の実家に戻っていると言うことで、昨日は京都時代の友人と飲みに行ってきました。
その友人はあらゆる事に問題意識を持っており、話すたびに新しい視点での意見を聞くことができるので、一緒に飲むのは京都の実家に戻った際の楽しみの一つです。

そんな彼は、昨日このようなことを言っていました。

「あるお婆さんが、ネットで見かけるような攻撃的な右寄りの発言をしているのを聞いてびっくりした。5年前はネット世界の住人の間だけで盛り上がっていた嫌韓が、リアルの世界にも広まりつつある」

このお婆さんだけに限らず、周りの人間が右傾化している事を懸念しており、その原因がネットであると言うことです。

ネットは、TVや新聞と違い、取得する情報を自分で選択することができます。
そのため、自分にとって都合の良い情報だけを集めてしまい、思想が一方向に極端に傾きやすいのでは無いかと言うことでした。

それは、正常な状態から外れるとますます正常な状態から遠ざかるよう動いてしまう正の反応度フィードバックによる影響で破滅的な結果になってしまったチェルノブイリのRBMK型原子炉と同じように、日本にも破滅的な結果を招くのでは無いかと言うことです。

この話をしているとき、村上春樹の「沈黙」を思い出しました。

僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言いぶんを
無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。

自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、
口当たりの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。

彼らは自分が何か間違ったことをしてるんじゃないかなんて、
これっぽっちも、ちらっとでも考えたりはしないんです。

この友人が懸念している事柄には、次の二つの性質が関係していると考えています。

  • 人は自分に都合の良い情報だけを受け入れる性質がある。
  • そのため、都合の良い情報だけを集めることができるネットには、思想を一方向に加速しやすい性質がある。

これにより、アラブの春的な、ネットがきっかけによる大きな動きになってしまうのでは無いかと少し不安です。

残念ながら、その場では具体的にどのようにしたらそのような動きを止めることができるか、良いアイデアは思い浮かびませんでした。

しかし、どのような情報に対しても、それが本当なのか、それを信じて良いのかどうか疑いながら情報を取得するというのを意識する必要があると改めて考えさせられた夜でした。

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